日本は政府の「長期債務残高」が1000兆円を超え、2位のギリシャをおさえて世界一です。
この記事では、日本経済がこのような状況のなかでも、【世界各地で国際協力をする必要性があるのか】をさぐっていこうと思います。

日本は「国際協力」をする使命がある
世界には、国の数が「196ヵ国」もあるのですが、そのうちの150ちかくの国々が開発途上国です。
「開発途上国」というのは、国民1人あたりの収入が低く、充分な食料や水を得ることができていない国をさします。
じつに世界の国々の「8割」が開発途上国ということになります。
開発途上国にかかえる課題としては、「貧困」「安全な水の確保」「インフラ整備」「子どもへの教育」「医療の遅れ」などがあります。
それらの課題を解決しなければ、感染症が蔓延したり内戦が起きたりして、他国を巻き込むような紛争へと発展することもあります。
北朝鮮問題でも明らかなように、「1国の問題は世界を巻き込む問題へ」とふくらむようになってきました。
国と国は、対岸の火事では済まない相互関係になっています。
日本などの恵まれた国は、積極的に問題解決のために国際協力していかないと、いつ火の粉がふりかかってくるか分からないのです。
「開発途上国」に支えられている日本
日本は先進国ではありますが、その生活はかなり開発途上国に支えられています。
【食べ物】
まず日本の食料の6割は、外国からの輸入品です。
輸入がストップしてしまうと、毎日の食卓からバリエーションがなくなります。
米とイモが多くなり、大豆も大きく輸入に頼っているので味噌汁が食卓から姿を消します。
【もの】
物も例外ではなく、服やかばん・靴のほとんどが開発途上国からの輸入品です。
そのほか日本製のようでも、スマホやテレビゲームなどありとあらゆるものが輸入に頼っています。
メイドインジャパンという基準も、最終工程さえ日本でおこなえば日本製になります。
その製品を作る工程の90%以上が、外国でおこなわれてるメイドインジャパンもあるのです。
もし開発途上国との関係が悪化して、製品がストップしてしまうと日本からたくさんの物が消えます。
【エネルギー】
車を動かすためのガソリン・暖房につかう灯油・そのほかプラスチックやゴム・化粧品などは石油からできています。
その石油のもととなる原油のほとんどは、外国からの輸入に頼っています。
原油のほかにも、天然ガス・鉄鉱石などの資源やエネルギーのほぼすべてが輸入に頼っています。
これらの理由から開発途上国との関係を良好にたもつために、「国際協力」が必要となっています。
大借金があるのに、なぜ国際協力できる?
おまけになりますが、日本は政府の「長期債務残高」が1000兆円を超えています。
国際協力をする余裕などあるのかと思ってしまいます。
ですが、日本の借金はギリシャの経済破綻とは大きく違います。
政府が発行している国債(借金)を購入しているのは、そのほとんどが「日本の銀行」です。
その銀行にお金を預けているのが、日本国民ですから「国民が政府に貸し付けている」ことになります。
しかも円建てなので、最終手段としては政府が日本円を刷ればいいのです。
もちろん大量に円を刷れば、「円の価値が下がって、物の値段が上がる」インフレをおこすリスクはあります。
でもギリシャのように自国の通貨がなく(共通通貨ユーロなので)、財政破綻におちいることは避けられます。
そのほかに日本政府の海外資産が340兆円あったり、日本国民のタンス預金が1700兆円以上あることなどが、外国からの信用となっています。
「国民1人あたりの借金が800万円以上になった」などという言い方で、メディアが不安をあおっているところがあります。
でも日本国という単位で見た時に、充分に外国からの信用を維持できています。
このような理由から、政府の長期債務残高が1000兆円を超えていても、「国際協力」はできますし必要であると考えられます。
「ちょっと海外の支援活動はハードルが高いなあ」という方は、「寄付」という形で現場の活動を支えることもできます。