貧困で今日を生きるのもままならない人々が大勢いるのは、世界中のみんなが分かっています。
でもあまりにも大きな問題すぎて、無意識のうちに無関心になってしまいがちです。
しかし地道に活動を続けている人たちによって、貧困で亡くなる子どもは着実に減少しています。
まだまだ気は抜けませんが、世界の子どもの貧困がなくなる日が近づいています。
この記事では【貧困から子どもを救うためのワールドビジョンという団体の取り組み】をご紹介していきます!
目次
世界の「貧困の現状」は?
じつはひとくちに「貧困」といっても、その定義は国や機関によって違います。
そのなかでも現在一番多く利用される定義が、世界銀行が発表している「1日1.9ドル以下で生活している人びとを貧困層と定義する」というものです。
1ドルと言っても変動するわけですが、だいたい日本円で「1日200円以下」で生活していると考えればいいでしょう。
最近は日本でも貧困が問題になっていますが、「貧困の定義」が大きく違います。
日本の貧困は「相対的貧困」といって、日本の中での標準と比べて貧しい状態をさします。
それに対して、1日1.9ドル以下で生活している人びとの貧困は、「絶対的貧困」といいます。
人間としての必要最低限の生活(食料や安全な水の確保)ができていない状態をさします。
ワールドビジョンの「子供の貧困」への取り組みは?
1990年と比較すると、世界の「絶対的貧困」は着実に減ってきています。
5歳にもなれずに死んでしまう子どもは、1990年は世界に一年間で1220万人もいました。
しかし現在では590万人と半減しています。
もちろんここまでの成果がでているのは、「ワールドビジョン」だけでなく世界の多くの団体の活動のおかげです。
とはいえ、まだ年間590万人の子どもが亡くなっているわけです。
その原因も、先進国なら簡単に予防や治療ができるものが多いです。
数多くあるNGO・NPO団体のなかでワールドビジョンは、どのように貧困問題解決のために取り組んでいるのでしょう。
ワールドビジョンは、単独で活動しているわけではありません。
さまざまな国の政府や、国際機関・NGOと協力しながら活動しています。
ワールドビジョンは50年以上の活動による経験で、支援する国に対して「モノを送り続けるだけでは解決できない」と考えました。
一番効果的な子どもの貧困問題を解決する方法は、支援している地域に住んでいる人々の力を引き出すことだと感じたのです。
そのための段階的な支援のステップを踏んでいくことにしたのです。
【段階的な支援のステップ】
(STEP1) 1~3年
信頼をきずく・・・地域の人々と信頼関係を築きながら、活動を開始します。
(STEP2) 4~13年
今もてる希望・・・今に希望をもてるように、貧困の原因となっている食料の確保・安全な水・医療・教育の改善に力をそそぎます。
(STEP3) 14年~
未来のために・・・子供や地域の人々がちからと自信をつけて、みずから活動を続けていけるようにサポートします。
そしてこのワールドビジョンがおこなっている、長期的な活動の核となっているのがチャイルドスポンサーシップです。
ワールドビジョンのチャイルドスポンサーシップは、現地の子ども1人を、支援(寄付)する人1人が「1対1」でやりとりするプログラムです。
お互いに手紙のやりとりをしたり、 支援している子供 (チャイルド)の動画を見たりして近況を知ることができます。
明確に「私がこの子を支援しているんだ」という気持ちが持てることが、チャイルドスポンサーシップの一番大きな特徴です。
世界の子供の貧困はいつなくなる?
2015年の9月に、ニューヨーク国連本部で「国連持続可能な開発サミット」が開催されました。
そこで193の加盟国が、2030年までの行動計画を全会一致で採択しました。
この行動計画は、「誰一人取り残さない」を理念とし、世界中で2030年までに極度の貧困を撲滅するぞという目標をかかげています。
「極度の貧困」というのは、「絶対的貧困」と同じで、生きるために必要な食べ物がないほどの貧困のことです。
貧困の原因には、地域ごとにいろんな要因が複雑にからみあっています。
なので貧困を解決する方法も、地域によってさまざまで、政治・社会・経済・環境などを巻き込んだ活動が必要になります。
ワールドビジョンも、各国の政府やNGOと連携しながら世界中で支援に取り組んでいます。
あなたが貧困で苦しんでいる人々に手を差しのべることで、2030年までに「絶対的貧困」が無くなる日が訪れるかもしれません。