ボランティアといえば、お金をもらわずに人助けをするというイメージではないでしょうか。
だから有償でボランティアなんて、言葉じたい矛盾していると感じるかもしれません。
しかし有償ボランティアは存在しますし以前よりも増えています。
そこでこの記事では【ボランティアが有償はおかしいか?】についてくわしく検証していきます!
目次
有償ボランティアがおかしいと思われる理由
日本では見返りを求めないが一般的
日本ではボランティアに対して、「無償で見返りを求めない=尊い」という意識が強くあります。
有償ボランティアという用語自体をめぐっても、激しい議論が繰り返されてきました。
詳細は後述しますが、これにはボランティアという言葉自体が、外国から日本へ入ってきたことが大きく影響しています。
そのときにボランティアが「奉仕活動」「無償奉仕」という言葉で翻訳され、そのまま一般市民へ広がっていきました。
日本では有償ボランティアに対して今も賛否両論がある状況です。
お金をもらったらバイトと同じだから
アルバイトは、仕事に対する対価として賃金が支払われ、その賃金を受け取ることが目的です。
いっぽうで有償ボランティアは、おこなった活動に対する「謝礼」や「経費」としてお金が支払われ、目的はあくまでもお金ではなく活動です。
以上のことから、厳密に言うとアルバイトと有償ボランティアの性質は異なるものです。
しかし「お金が支払われること」は共通しているので、有償ボランティアはおかしいと感じる方がいるわけです。
有償ボランティアの定義
交通費とお昼代程度が出るボランティア
前述のとおり、有償ボランティアには活動に対する謝礼や経費が支払われます。
しかし賃金と言えるほどの金額では無いことが多いです。
交通費や昼食代程度の支給といった、活動に最低限必要な経費が実費で支払われます。
経費の支給でボランティア参加者を確保しやすくなる
ボランティアとして活動する際、現地まで行くために少なからず交通費がかかりますよね。
完全に金銭の支払いがないボランティア活動では、交通費は自己負担となります。
個人にとっては少なからず負担に感じますよね。
のどまで不満が出かかって、いやいやこれはボランティアだからと飲み込む方もいるのではないでしょうか。
交通費だけでも負担してもらえると、参加者の心持ちが変わってくるわけです。
つまり必要な経費として交通費を支給すれば、無償ボランティアが集まらない時にとても有効な手段になります。
ボランティア=無償は日本だけ?
日本だけではないが少数派
いくつかの国のボランティアに対する定義や考え方を比較してみます。
①アメリカ:他者や社会のために個人が自発的におこなう活動
②ドイツ:自発的な社会参加活動
③スウェーデン:自分や仲間のためにおこなう活動であり、余暇活動の一種
④韓国:自願奉仕活動と呼ばれ、社会のために自発的に無償で自らの時間と努力を提供する行為
⑤中国:志願者活動と呼ばれ、自らが持つ資源を社会の他の構成員のために活用し、調和のとれた社会を構築する活動
それぞれ以上のように定義されています。
特に欧米やヨーロッパ諸国では「ボランティア=無償でなくてはならない」という意識は薄く、有償ボランティアが多く活動しています。
一方アジア地域では、無償という言葉が定義に含まれることが多いです。
日本のボランティアへの感覚と似通った部分があり、無償ボランティアによる活動が多く見られます。
ボランティアは無償という意味ではない
ボランティア(volunteer)の語源は、ラテン語のウォロ(volo)という言葉。
「自分からすすんで行動する」という意味や「喜んで行動する」という意味があります。
ボランティアという言葉が、初めて使われたのは17世紀中頃のイギリス。
自分たちの地域は自分たちで守ろうと声をあげた「自警団」「義勇兵」「志願兵」という意味でした。
一方日本では、ボランティアという言葉は明治の終わりから大正のころに海外から伝わりました。
そして1970年代にやっと一般市民に広く知られるように。
しかし当時の日本では「善意」「奉仕活動」「善行」「無償奉仕」という、本来のボランティアという言葉が持つ意味とは少し異なった翻訳がされ、そのまま社会へ広がっていきました。
つまり本来ボランティアという言葉に無償という意味はなく、「自分からすすんで行動する」という、自主的な姿勢や気持ちが重要視された言葉であるということです。
おすすめの有償ボランティアは?
治験ボランティア
治験とは、開発中の新しいくすりを、厚生労働省に承認してもらうためにおこなう臨床試験のこと。
治験を受託している機関では、金銭誘導等で参加者を募集することは望ましくないと定められています。
そこでアルバイトではなく、ボランティアを募集しているという現状があります。
ただし確率が低いとは言え、予期しない副作用のリスクがあるため、支払われる謝礼は多いです。
スポーツイベントの有償ボランティア
スポーツイベントの準備から本番までを一から体験することができるボランティアがあります。
大人数でわいわいと楽しく参加できることから、学生や若年者にも人気があります。
謝礼の例としては、交通費の実費支給に加え、クオカード1,000円分などが支払われることが多いです。
有償ボランティアはおかしい? まとめ
ボランティアという言葉は、日本に入ってきた時に「奉仕活動」「無償奉仕」と翻訳されました。
そのため日本では、「ボランティア=無償」という考えが広まりました。
ただ欧米では無償でという意識は薄く、どちらかというと「自発的におこなう」ということがボランティアとなっています。
なので交通費やお昼のお弁当代など、謝礼が出る有償ボランティアが一般的。
日本では、まだまだ線引きに議論を重ねる必要がありそうです。
それでもメリットのほうが多いため、有償ボランティアは今後増えていくかもしれません。

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