2022年現在、日本全国の子ども食堂の数は6,000箇所を超えています。
子ども食堂は貧困家庭や母子家庭などで、充分な食事を摂れていない子どもを救うために始まりました。
しかし活動をしている多くの子ども食堂が、ある違和感やさまざまな問題に直面しているようです。
そこでこの記事では【子ども食堂が抱える課題や問題点について】ご紹介していきます!
目次
子ども食堂が増えている理由は?
日本で子ども食堂が増えている背景として、政府が相対貧困率を公表したということが挙げられます。
想像していた以上に貧困層が多いことを、社会的問題として認知した人が増えたことで、子ども食堂の運営をしようと決意した人も増えました。
貧困層の割合では、特にひとり親世帯がとても多くなっています。
ひとり親での子育てで孤独になってしまわないように、子どもが孤食続きにならないように子ども食堂でサポートしようという動きが盛んです。
子ども食堂は生活に困窮している人だけでなく、一人暮らしの人や外国籍の子どもなど幅広い人が利用できます。
今後も子ども食堂の需要は増えるとされていて、大手コンビニエンスストアでも子ども食堂の展開が始まっています。
子ども食堂がかかえる課題や問題点は?
会場が確保しにくい
子ども食堂を運営するためには必ず会場が必要です。
子どもたちにご飯を食べてもらうためには、ある程度の広さが必要となり、料理を提供する場合には調理するスペースも必要になってきます。
会場は無償で借りるということは難しいうえに、人が集まるので地域の理解も得なければなりません。
沢山の人に利用してもらいたいと思っていても、会場の広さ以上に人を入れることはできませんよね。
特にコロナ禍においては、密を避けなければならないこともあり、人数制限でこれまで以上に利用してもらいにくくなっています。
食材や活動費が足りない
子ども食堂の運営は、NPO法人がおこなっているケースがほとんどです。
そして活動のための資金や食材を集めるのに苦戦している団体は多いです。
地域の方と連携して余っている食材を使わせてもらうなどしてしのいでいます。
そして必要なのは食材だけでなく、調理器具や施設内で使用する備品類も購入しなければなりません。
これらをまかなえるだけの資金が必要となってきますが、子ども食堂の多くが寄付で成り立っているのでかなり厳しいケースが多いです。
ボランティアスタッフが足りない
多くの子ども食堂の活動は、寄付で成り立っているため、そこで働くスタッフの多くも無償ボランティアの方が多いです。
とは言え、ずっと無償ボランティアに頼っていては人員の確保は次第に難しくなっていきます。
現状はボランティアに興味がある方や、子ども食堂の活動に賛同してくれる人に頼るしかないようです。
なので今まで以上に地域と連携して、サポートしてもらえる体制を整えていくことが重要になっていくでしょう。
食中毒リスクへの不安
子ども食堂では、その場で調理して提供できる場合とそうでない場合があります。
調理ができない場合は、できたてのお弁当のようなモノが使われることもあります。
どちらにしても食べ物を提供することになるので、衛生管理は徹底しなければいけません。
万が一、子ども食堂で食中毒が起こってしまうと営業を停止しなければならなくなります。
特に食材が傷みやすい季節は、かなり神経を使って運営されているそうです。
本当に困っている人が利用しているのか分からない
運営側から見て子ども食堂を利用して欲しいと思っている子どもに、利用してもらえているのかということも課題となっています。
子ども食堂を運営する側の多くは、ひとり親世帯、孤食になっている子どもたちなどをメインとして食堂に来てほしいと思っています。
しかしひとり親世帯ではなくても、共働きで子どもに食事を作る時間がないという理由で、子ども食堂を利用する人もいます。
またただ単純に、安く食べることができるからという理由で利用する人もいます。
子ども食堂を利用するメリットは?
バランスのいい食事がとれるので子供の気持ちが安定する
子ども食堂では出来立ての美味しいご飯を食べることができます。
温かいご飯を食べれるだけでなく、栄養バランスの良い食事を無料または低額で食べることができます。
温かくて健康的な食事をとるができれば、子どもの気持ちも安定しやすくなります。
栄養不足から体調が悪くなったり、精神的にイライラしてしまう子どもが増えています。
子ども食堂でバランスの取れた食事を提供することは、子どもの精神面の安定にもおおいに役立っています。
さまざまな人たちと出会うことで暖かい気持ちが生まれる
子ども食堂にはじつに様々な人々が集まります。
ボランティアの人も含めれば、本当に幅広い年代の人と触れ合うことができる場所なのです。
そのような場所では、食事をしながらさまざまな会話を楽しむこともできるので、地域の人々との交流も悪くないものだと知る人も多いようです。
アットホームな雰囲気の中で食事をすることで、大人子ども関係なく暖かい気持ちになれる場所でもあります。
子ども食堂を維持するためにできることは?
ボランティアスタッフとしてサポートする
子ども食堂を維持していくためには、運営スタッフがいなければ成り立ちません。
とは言え、給料を支払える子ども食堂は多くはないので、スタッフが集まりにくいという課題を抱えています。
そのため運営スタッフとして無償のボランティアとして活動することで、子ども食堂の維持に役立つことができます。
無償ボランティアは、子ども食堂のホームページで募集されていたり、各食堂のSNSで発信されていることもあるのでチェックしてみてください。
食材やお金を寄付する
多くの子ども食堂の運営は、運営している人たちの持ち出し(自腹)で成り立っていたりします。
しかしそんな状況で長く続けていくことは難しいはず。
ですから少しでもお金を寄付したり、余っている食材を寄付するという形の支援が大きな支えとなるはずです。
寄付はどこがいい?という記事にも書きましたが、寄付する側にも充実感や納得感があるほうが楽しく続けられるでしょう。
子ども食堂が抱える課題や問題点は? まとめ
現在、子ども食堂の多くが抱える課題としては、「会場の確保」や「スタッフ不足」「運営費不足」「食中毒リスク」などが挙げられます。
やはり運営者と有志の仲間だけでは、なかなか継続することは難しいようです。
そのため地域の人たちや地元の企業にも力を貸してもらえるかどうかがカギになってきます。
とは言え、毎年1,000件増のペースで子ども食堂は増えていることを考えると、地域の需要はとても高く必要とされていることが分かります。
しかも当初の「貧困の子どもを救う」という目的だけでなく、いろんな世代の人たちが集まって交流できる場と進化しています。
私がこれまで寄付してきた中で、もっとも手ごたえがあった寄付先をご紹介します。
ワールドビジョンのチャイルドスポンサーシップという寄付で、厳しい環境にいる海外の子ども1人と「手紙や写真のやりとり」ができます。
しかもその子とやりとりができるのは自分だけ。
飽きっぽい私でも6年続けています。
特定の子のことを思い浮かべながら支援できるので、サポート出来ている充実感が強いです。
さらに希望すればその子が住んでいるところへ「現地訪問」することも可能。
ぜひチェックしてみてくださいね。
➤➤➤【1人の子どもと1対1の支援プログラム】